ホスティングサーバーは3種類!
特徴とメリット・デメリットとは?
ホスティング(レンタル)サーバーを選ぶ際、どのような基準で選んでいますか?
一口にホスティングサーバーといっても、3種類に分かれることはご存知だったでしょうか。
・「共用サーバー」
・「専用サーバー」
・「VPSサーバー」
Webサイトのデータをサーバー上にアップロードするという基本的な流れは同じですが、サーバーの種類によってできること、できないことがあるので用途に応じて選択する必要があります。そこで今回は、ホスティングサーバー3種類の特徴や個別のメリット・デメリットを確認していきたいと思います。
目次
1、ホスティング「共用サーバー」とは?
まず、ホスティングの「共用サーバー」は、名前のイメージ通りです。複数のユーザーが共同で1台のサーバーを利用する形態のサービスです。OSやCPU、メモリ、ハードディスクなど全て同じリソースを複数のユーザーで共有して利用しますので、ホスティングサーバーの利用料金は専用サーバーに比べて圧倒的に安くなります。
また、共用サーバーはホスティングサービスを行っている事業者から用意された環境を利用する形態になりますので、サーバーの維持管理に気を使うことはなく、専門的な知識や技術はほとんど必要ありません。そのため、個人や中小企業でも簡単にWebサイトを公開して運営することが可能となります。
一方で共用サーバーの場合、複数のユーザーが同じサーバーを利用しているので、1人のユーザーがサーバーに負担のかかるような使い方をした場合、他のユーザー全員がその影響を受けてしまいます。しかし、現在では他のユーザーに迷惑がかからないようメモリの使用制限やプログラムのタイムアウトなどが厳しく設定されているようです。
2、ホスティング「専用サーバー」とは?
次に、ホスティングの「専用サーバー」もその名の通り、1人のユーザーが1台のサーバーを独占して利用できる形態のサービスです。
1ユーザーで占有できるため、共用サーバーのように他ユーザーの影響を受けることはなく、リソースを多く使えるのでアクセスが集中するサイトや、プログラムによって多くメモリを使う場合などに利用されます。
また、サーバーに対するroot権限(管理者権限)を持つことができるので、OSやアプリケーションなど、基本的に自由にカスタマイズできパフォーマンスは優れているのですが、ユーザー自身でサーバーを設定する必要があるので、サーバー構築の高度な専門知識が求められます。そのため、運用する際には注意が必要となります。
専用サーバーは、高いパフォーマンス、安全性、柔軟性などの利点は多いものの、コスト面では共用サーバーと比べて高くなってしまいます。そのため、一般的にアクセス数が多いサイトや利益を生みだすサイトを管理するために利用されています。
3、ホスティング「VPSサーバー」とは?
VPSとは、Virtual Private Server(バーチャル・プライベート・サーバー)の略、日本語や訳すると「仮想専用サーバー」という意味になります。
VPSは、近年広がってきたホスティングサービスで、複数のユーザーが1台のサーバーを利用している点では、共用サーバーと同じですが、”仮想化” といわれる技術を使っていることで、仮想的に専用サーバーと同等の機能をもつ共用サーバーです。
そこで、「仮想化」について説明すると、1台のサーバー(物理サーバー)を複数台の仮想的なサーバー(仮想サーバー)に分割して利用する仕組みです。簡単にいえば、1台のサーバーが複数のサーバーのように仕事ができる技術です。実際に複数のサーバーを利用しているかのように感じてしまいます。
1台のサーバー内に仮想化された複数のサーバー環境を作っているため、各ユーザーは専用サーバーと同じようにroot権限(管理者権限)を持つことができ、OSやアプリケーション機能などを自由にカスタマイズできます。
しかし、仮想上は専用サーバーのように見えても、実際には1台のサーバーを共用で利用していることになるので、CPUや回線、メモリーなどのサーバーリソースは完全には自分のものにはなりません。
複数のユーザーが共有しているので、専用サーバーよりも機能面では多少見劣りしますが、コストを抑えて自由に利用できます。
4、3種類のホスティングサーバーのメリット・デメリット
ここまで、「共用サーバー」「専用サーバー」「VPSサーバー」と、3種類のホスティングサーバーの特徴のご説明でしたが、その特徴からそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
◇「共用サーバー」
■メリット
- コストを抑えられる
- サービス事業者が多いため好みのサービスを選べる
- レンタルしてすぐに使用できる
- サーバーに関する知識がほとんど必要ない
■デメリット
- 1台のサーバーを複数のユーザーが利用しているため影響を受けやすい
- サービス内容によっては大規模なアクセスに耐えられない可能性がある
コストを抑えられるのでWebページの運用がしやすいが、サーバーのカスタマイズやソフトウェアのインストールなど自由に行えない。また、他のユーザーの利用状況によっては遅延やサーバーダウンなどの影響を受ける可能性があります。
◇「専用サーバー」
■メリット
- ツールやソフトウェアを自由にカスタマイズできる
- 他のユーザーの影響を受けない
- 1台のサーバーまるごと性能をフル活用できる
- 社内ファイル共有など用途が増える
■デメリット
- 他のホスティングサービスと比べて費用が高い
- 設定や管理、運用を自ら行う必要がある(専門的な知識が必要)
- ネットワーク回線が拡張できない
サーバー丸ごと専用で利用できるので自由度は高く、OSやアプリケーションなど、基本的に自由にカスタマイズできパフォーマンスは優れています。一方、スペックが高いので当然料金は高く、管理・運用は自ら行うことになるため専門的な知識が必要となる。
◇「VPSサーバー」
■メリット
- 専用サーバーのようなスペックで価格は安く利用できる
- 共用サーバーと比べて自由度は高く、リソースを多く確保できる
- 他のユーザーの影響を受けにくい
■デメリット
- サーバーの設定や運用は自ら行う必要がある(専門的な知識が必要)
- ※物理サーバーは、サービス事業者が管理している
- 物理、ネットワーク的および利用OSなど、専用サーバー程の性能や自由度はない
専用サーバーよりもコストが安く、root権限(管理者権限)が付与され自由度は高い。また、リソース 確保されるので他のユーザーの利用状況から影響を受けることはありません。しかし、運用は契約者自身で行うのが通常で運用には専門的な知識が必要となり楽ではなく、拡張性は専用サーバーと比べると低くなります。
5、まとめ
ホスティングサーバー3種類の特徴などご説明してまいりましたが、利用状況など良く検討して導入することが大切です。
安く利用したいなら「共用サーバー」、アクセス数が多いサイトなどの運用には「専用サーバー」、専用サーバーのような性能で低価格な「VPSサーバー」といったように、用途に応じて選ぶことが求められます。
また、専用サーバーとVPSサーバーに関しては、ある程度専門的な知識が必要になりますので注意しておきましょう。