失敗しないホスティングサーバの
移行手順と注意点とは?
自社でサーバーを運用・管理している企業は多くはなく、ほとんどがホスティングサービスを利用してサーバーを借りて利用しています。その今まで使用していたホスティングサーバーから、機能面やコスト面など、何らかの理由で別のサーバーに移行を検討している方も多いのではないでしょうか。
現在、契約しているホスティングサービス会社を別の会社に替える場合、サーバー移行を行う必要があります。これは自身で行う必要があり、正しい手順を認識しておかなければ失敗してしまうこともあるのです。そこで今回は、失敗しないために、一般的なサーバー移行手順とその注意点をご説明いたします。
目次
1、失敗しないホスティングサービスの移行手順
ホスティングサーバーを乗り換えようとしたとき、移行方法が難しそうなイメージがあります。しかし、正しい手順で要所をしっかり押さえていれば決して難しい作業ではないのです。それでは、その移行手順を見ていきましょう。
➀新しいホスティングサーバーと契約する
➁新サーバーにドメインを追加する
新サーバーの管理画面(ログインパネル)からドメインの追加を行います。
➂ 現在利用しているサーバーからデータをダウンロードする
お持ちのFTPソフトで、旧サーバーのデータをダウンロードします。
その際、データ量が多ければエラーが出る可能性があるので、数回に分けてダウンロードすると良いでしょう。
➃ 新サーバーにデータをアップロードする
お持ちのFTPソフトで、旧サーバーのデータを新サーバーにアップロードします。
➄ データベースのエクスポートとインポートを行う
データベースを利用している場合は、データベースの移行作業も必要となります。
1.旧サーバーのデータベースを自社内のストレージにエクスポートする
2.新サーバーでデータベースを作成する
3.新サーバーにデータベースをインポートする
➅メールアカウントを設定する
新サーバーの管理画面(ログインパネル)で、メールアドレスを追加します。
➆ 新サーバーで表示・動作確認を行う
➇ドメインのDNSを書き換える(新旧両サーバーが稼働状態に)
新サーバーで用意しているネームサーバアドレスを設定します。ネームサーバーのアドレスは、新サーバーの管理画面で公開されています。契約の際に、契約完了メールに記載している場 合もあります。
ⓠ旧サーバーの契約手続きを行う
以上ですが、手順➂~➅は必要がある場合のみ対応が必要となります。
一般的なホスティングサーバーの移行手順はこのようになりますが、サービス会社によってドメインの追加やメールアカウントの設定方法が異なりますので、契約時には担当者に問い合わせておきましょう。
2、ホスティングサーバー移行の際の注意点
サーバー移行は、手順通りに進めていけば比較的簡単に移行できますが、手順以外に注意しなければならないことがいくつかあります。
■メールアドレスの再設定および旧サーバーの解約時期
旧サーバーでメールアカウントを設定している場合、新サーバーで同じメールアカウントを設定する必要があります。
サーバー移行を行うと、メールアドレスの設定の変更も必ず必要となり、この場合、ドメイン名でメールを使用している全てのPCやタブレット・スマホに対しての設定が必要となりますのでご注意下さい。
また、DNS変更後、新サーバーへの移転が完全に完了するまで1~3日かかることがあります。そのため、旧サーバーのメールアカウントをすぐに削除してはいけません。念のために、浸透してからも10日前後は旧サーバーの契約を保持しておき、新旧同時にサーバーを起動しておくと安心です。
■新サーバーの表示・動作確認
表示・動作確認は自分のPCで行うこともできますが、一般のユーザーでは知識がないので、表示・動作確認時のPC設定の変更については、詳しい知識を持った人にお願いするようにしましょう。
基本的には、CGIやPHPなどのプログラムは勿論、.htaccessやrobots.txtなどの動きにも注意する必要があります。
また、新サーバーで動作確認してからネームサーバーを書き換えることも忘れてはいけません。
3、まとめ
ホスティングサーバーの移行については、難しそうに感じてしまいますが、手順をしっかり押さえていれば決して難しい作業ではありません。移行することが決まったら、事前に調査確認を行い移行手順書などを作成しておけば、まず失敗することはありません。とはいっても、初めての方は分からない手順も多いかと思いますので、知識がある方にお願いしましょう。